パロマと企業責任
パロマ工業(名古屋市)製湯沸かし器による一酸化炭素(CO)中毒事故で、東京地裁は11日、業務上過失致死傷罪に問われた元社長、小林敏宏被告(72)らに有罪判決を言い渡した。事件発覚当時、中部本社の経済担当デスクとして、この事件を最初から担当した。事件そのものは裁判に任せる。私が一番印象に残っているのは、小林被告の息子であるパロマの弘明社長(当時)が、「事故の原因はすべて不正改造のせいだ」と会見で言い放ったことだ。まだ全貌もわからない段階で、遺族への哀悼の言葉もなく、「我が社の製品は安全だ」と強調する姿は、企業のリスクマネジメントからすると言ってはならない一言だった。その後マスコミや世論の強烈な反発を招き、前言を撤回し、涙の会見となる。同族経営のボンボン社長といえばそれまでだが、トップの一言で、超優良企業も存亡の危機に立たされるのは、雪印食品、不二家など、皆が知っているところだ。企業不祥事は予想外のところから突然やってくる。それをどう乗り越えるか。最近はリスクマネジメントセミナーなど、危機管理コンサルティングも活況だ。肝心なことは、トップと広報がダイレクトにつながっていること。トップが何を考えているかわからない広報は、いざ不祥事のときに、その企業は機能不全に陥る。パロマはその広報組織も当時なかった。

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